読書は人間の夢を見るか

平々凡々な社会人の読書と考えたこと。本文・写真についてはCC-BY-SA。当然ながら引用部分等の著作権は原文著者に属します。

親子と将棋

先日、神足裕司の『パパになった男』から、ケンカに関する一節を引いたのだけれど、将棋の「ひっかけ」に関連した箇所もあるのを思い出した。 将棋連チャンで申し訳ないけれど(読んでる人もそんなにいないだろう)、広がりのある事柄だと思うので、少しお付…

そして、それは「敵」なのか−人と機械(後編)

「ケンカとは、どうやっても勝たなければならないものだ。そのためには、相手の金玉を蹴り上げ、指を突っ込んで目の玉をほじくり出してやれ!」 とぼくは乱暴に言った。 息子の返事はこうだった。 「パパ、ボーリョクはいけないんだよ」」 (神足裕司『パパ…

熱情が世界を変えるとき−人と機械(前編)

「正直言ってどの手が悪かったのか分からない」 三浦弘行八段(当時)の言葉が印象的だった。 第2回将棋電王戦は最終局を終えて、プロ棋士側から見て、1勝1分3敗という成績に終わった。 1戦目の阿部光瑠四段対習甦こそ、阿部四段が勝利したものの、二戦目の…

誰にもない責任を誰が負うか

SFの世界でしかあり得なかったようなことが次々と起こっている。 Googleは自動運転車の実験を行い、昨年12月にはプロトタイプの完成版を公表した。*1 それとともに、問題となってくるのは、これまで想定されていなかった事柄に対してどのような規則を設けて…

将棋と意味と、そして、人工知能と

小学生の頃、僕らの指す将棋は、あくまでも王様を取られるまで続いた*1をして投了するところ、Aperyがコンピュータ将棋特有の「王手ラッシュ」を始めたのだ。 解説の鈴木大介八段は、「棋譜を残すのが仕事」というとおり、将棋棋士には棋士の美学があり、無…

父からのお礼

昨日、神保町にて、父・神足裕司と私との共著『父と息子の大闘病日記』と父と母との共著『生きていく食事 神足裕司は甘いで目覚めた』の出版を記念したサイン会と出版記念パーティが開かれました。 お陰様で盛会となりましたことをご報告するとともに、あつ…

将棋で見るワールドカップ

長いようで短かったサッカーFIFAワールドカップも、明朝の決勝戦で全試合日程が終了となります。 決勝はドイツ対アルゼンチン。 優勝候補として、ブラジル・アルゼンチン・ドイツ、を挙げていたのですが、準決勝ではまさかの結果もありました。 日本代表は残…

おわりに

以上駆け足ではありますけれども、将棋の見どころと最近読んでよかった棋書を紹介してみました。 ちょうど日曜日の午前中にはNHK将棋トーナメントもありますし、ニコ生(http://ch.nicovideo.jp/shogi )で観ることもできます。 是非一度ご覧になってみてく…

4.序盤戦

もうこれを読んでください。これで決まりです。 序盤は戦法によって駒組みと言いました。 ここで不利になるとかなり厳しいです。 なので、近年はここで少しでも有利にするための研究が進められています。 (研究に基づく一連の駒の動かし方を定跡といいます…

3.中盤戦

難しいところです。わかりません。 序盤は初期配置から計算していくことができます(そのまま終盤に突入するまで研究されている戦法もある)。 最終盤は「正解」があるはずです。(終盤はそこからの逆算がある) 中盤はその間に挟まれていて、どっちからも計…

2.終盤戦

将棋は概ね、序盤・中盤・終盤に分けられます(明示的に決まっているわけではありません)。 序盤=駒組み。攻めやすい・守りやすい陣形を整える 中盤=具体的に相手を攻撃したり、その攻撃を交わしたりといった攻防です。 終盤=勝敗が決する直前。今にも詰…

1.ルールを覚える

これでちょっと将棋の世界に興味を持てたかな、という方は、ルールを覚えるといいと思います。 いいと思います、と言ったのは、別に覚えなくても楽しめることはたくさんあるからです。 (おやつとかおやつとか、オヤジギャグとか) でも、最低限のルールだけ…

0.はじめに

まず、漫画からいきましょう。 はい、『3月のライオン』です。 『ハチミツとクローバー』の大ヒットで知られる羽海野チカさんの作品。 幼い時に両親を亡くした17歳の将棋棋士・桐山零の物語です。 人間としての将棋棋士の魅力、人間関係の難しさ、勝負の世…

すごく適当な将棋観戦ガイド(1) #ss954

はじめに言っておきたいのですが、私は将棋が弱いですw 子どものころ、父にボロクソに負かされ続けたのを覚えています。 高校生の時に少し勉強しましたが、それ以降、将棋からは遠い日々を送っていました。 2年前、父のリハビリを兼ねて将棋を再開し、電王…

レビューまとめ

ソチオリンピックにかかりきりですが、最近書いたレビューをまとめてみます。 今回は、 佐藤朋彦『数字を追うな 統計を読め』 竹田いさみ『世界を動かす海賊』 太田和彦『居酒屋の流儀 (黄金の濡れ落葉講座)』 井庭崇『社会システム理論: 不透明な社会を捉え…

今週書いたレビューまとめ(1月5-12日)

読んだ本を記憶に留めておくためにも、レビューを書きたいという気持ちはあるのですが、単独でレビューを書こうと思うと、長く書かなくちゃと思ってなかなか筆が進みません。 そこで、Amazonに(短めの)レビューを書いてそれをBlogにまとめてみるということ…

公共マナーはもはや鉄板の炎上ネタということでもあり、特につっこまないことにしている。

というより、最終的には「程度問題」と「思いやり」みたいな結論に落ち着くので、書いてもあまり実のあることにはならないように思っている。 ただ、以下のエントリを読んで、身近な経験を思い出したので、少し書いてみる。 本山勝寛 「堀江氏のツイート炎上…

「世界」のすべてを載せた詩があるとしたら −「病気」とはなにか

(Booklogからの転載)はじめに、家族という立場にあるものからのレビューであることをお許しいただきたい。 本が手元に届いてからも、私はなかなか本を開く気になれなかった。 怖かったのだ。 父の、つまりはこの本の筆者の状態はもちろん百%ではない。 ペ…

ハゲを愛する人のためのブックガイドーハゲを取り巻く世界

寒い季節になって来ました。 ええ、いよいよ寒いです。 個人的にはマンチェスターユナイテッドがCL決勝トーナメントに進めなかったのは、ルーニーが植毛なんてふざけたことをしたからだと思っています。 最近いよいよヤバくなってきたから、 ということでは…

"水平的な"キュレーション

一冊簡単な本を読んで読書会をしようという話になり、キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)作者: 佐々木俊尚出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/02/09メディア: 新書購入: 57人 クリック: 2,260回この商品を含むブログ (20…

帝都復興院について

大震災が日本をおそって早2週間が経とうとしています。 復興に向けた作業も本格化し、なかでは「復興庁」創設へ向けた動きも見られます。 そのモデルとなったのが、帝都復興院です。 今回は、その帝都復興院について、背景や概要などをまとめてみたいと思い…

インターネットの革命と反革命 ipad/電子出版/フリーの終焉(下)

境さんの本も7割がた読み終わったのでホントは読み終わってから書くべきかもしれませんが、まぁ、サクっとまとめちゃいますね。 AppleやAmazon(あるいはGoogle?)といった私企業が情報のでもとを独占してしまうことで、 彼らに大きなコントローラビリティ…

インターネットの革命と反革命 ipad/電子出版/フリーの終焉(上)

ジャーナリストの昼間たかしさんが『Kindleショック インタークラウド時代の夜明け』の著者・境真良さんを迎えて、電子書籍やコンテンツ産業のこれからについてのトークイベントが行われました。 詳しくはUSTream*1に上がっていますし、この界隈の人はだれか…

長らくご無沙汰しています。

新しい環境に馴染むのに精一杯、というか、 まとまった時間を使っていろいろ考えるということがどうしても難しかったもので。 新しい企画を始めてみようと思います。 ニュースの記事などをざっと概観してわかった気分になろう、という企画です。 第一回の今…

世界のGoogle化・・・それでも

1月30日に、日本学術会議講堂で行われた、日本学術会議シンポジウム「世界のグーグル化とメディア文化財の公共的保存・活用」に参加してきた。詳細なレポートについては、kyokashow さんのエントリー「「世界のグーグル化とメディア文化財の公共的保存・活用…

調べることと創造すること

日本の教育は詰め込み学習だ。 次世代に生きるものには新しいものを作り出す能力が必要だ。 などと言われて久しいように思う。 それに対応した「ゆとり教育」などはポシャって行った。 そうした中で、私が有効だと思うのは、「調べ学習」のようなものだ。 「…

「健康農場」

先日、以下のようなニュースが報じられた。 酒の安売り・飲み放題はダメ…WHOが指針案 【ジュネーブ=平本秀樹】世界保健機関(WHO)の執行理事会(日本など34か国で構成)は22日、酒の安売りや「飲み放題」の規制など、過度な飲酒を減らすための指…

犬死に大国、ニッポン 〜ハンセン病と薬害エイズの記憶を語り継ぐために〜

来る2010年1月17日に、下記のようなイベントを開催する運びとなりました。 ハンセン病や薬害エイズ、近くて遠く、遠くて近い問題だと思います。 しかし、このイベントはその二つの問題にとどまるものではないと思います。 この二つの事例は、様々な社会問題…

闘いとしての政治/信念としての政治【後篇】

昨日に引き続き簡単なまとめです。 セッション2は「社会と正義」をテーマにして行われました。 しかし、20時30分終了の予定がこれが始まる時点でもう20時15分くらいな状態。 スピーディーな進行になりました。 北田先生から前説。 オウム事件の時(野中は官…

闘いとしての政治/信念としての政治

以下のようなイベントに行ってきたので簡単にレポートしたいと思います。本当に簡単に。 詳細は毎日新聞1月の紙面に記事が載るらしいですし、たぶん『思想地図』あたりにも出ると思われます。 シンポジウム「闘いとしての政治/信念としての政治」元自由民主…