読書は人間の夢を見るか

平々凡々な社会人の読書と考えたこと。本文・写真についてはCC-BY-SA。当然ながら引用部分等の著作権は原文著者に属します。

新しい公理系でものを語ると言うこと。

社会学の大家にはいろいろといる。
コント、スペンサーはおいておくにしても
ウェーバーデュルケームジンメル
マートンパーソンズブルデュー・・・
その系譜の中で現代一番名の売れた「社会学者」といえば
N・ルーマンだろう。


難解でしられるその理論。
どんなものか知りたいとは思いつつ、手が出ていなかった。
そんなとき目にとまったのがこれ。

ルーマン 社会システム理論 [「知」の扉をひらく]
ゲオルク クニール アルミン ナセヒ
新泉社
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どんなものだか読んでみよう。
そう思わせてくれた。


彼らの理解が正しく、さらに私の理解も正しかったとして
ルーマンの理論は新たな公理系を社会学に持ち込んだものの
ように思われる。システム論は自然科学の概念として存在するものを取り込みつつ成立しており、今までの用語法とは違った形の世界が現れている。


同時に疑問に思うのはいかにして批判すればいいのかということだ。
用語の定義から始まり、その上で理論を構築されたとき、
その理論は閉じたものとなっているように思われる。
*1
システムとは閉じたものであると自ら定義しながら、
コミュニケーションとは、何かを論ずるとき、
なぜならシステムは閉じたものだから、というのは論点先取ではないのか。
それでもなお、この理論が魅力あるものであるのは
その系がより現実の写し絵として美しいものとなっているからだろう。


読んでからだいぶ間が開いたこともあって
よくわからなくなってしまった。
すいません。

*1:それが学問の継続性の重要性の一つだと思う