読書は人間の夢を見るか

平々凡々な社会人の読書と考えたこと。本文・写真についてはCC-BY-SA。当然ながら引用部分等の著作権は原文著者に属します。

どくしょ

食とともにめぐったもの-『食の500年史』

食の歴史からみる「グローバル」ということ。ジェフリー・M・ピルチャー『食の500年史』NTT出版, 2011 書評。

GW終わり

木金と仕事をしてきてなんですが、一応今日までがGWって認識でいいんでしょうかね。休みというのは一瞬で終わるものです。 休み中に見た映画、読んだ本を簡単に振り返ってみたいと思います。 その前に、まずは番外編から。 5日6日で今話題の箱根町芦ノ湖に行…

プレGW

4月も終わりました。 もう一年も3分の1が終わったかと思うと、時の流れの早さを感じます。 ゴールデンウイーク、正確に言うと大型連休であります。 私はちょっとお休みを頂いて、だらだら過ごしています。 ここ数年はなんやかや云々かんぬんありましたので、…

今週書いたレビューまとめ(1月5-12日)

読んだ本を記憶に留めておくためにも、レビューを書きたいという気持ちはあるのですが、単独でレビューを書こうと思うと、長く書かなくちゃと思ってなかなか筆が進みません。 そこで、Amazonに(短めの)レビューを書いてそれをBlogにまとめてみるということ…

「世界」のすべてを載せた詩があるとしたら −「病気」とはなにか

(Booklogからの転載)はじめに、家族という立場にあるものからのレビューであることをお許しいただきたい。 本が手元に届いてからも、私はなかなか本を開く気になれなかった。 怖かったのだ。 父の、つまりはこの本の筆者の状態はもちろん百%ではない。 ペ…

"水平的な"キュレーション

一冊簡単な本を読んで読書会をしようという話になり、キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)作者: 佐々木俊尚出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/02/09メディア: 新書購入: 57人 クリック: 2,260回この商品を含むブログ (20…

調べることと創造すること

日本の教育は詰め込み学習だ。 次世代に生きるものには新しいものを作り出す能力が必要だ。 などと言われて久しいように思う。 それに対応した「ゆとり教育」などはポシャって行った。 そうした中で、私が有効だと思うのは、「調べ学習」のようなものだ。 「…

秒速5センチとメディア論

秒速5センチメートル [Blu-ray]posted with amazlet at 09.10.18ビデオメーカー (2008-04-18)売り上げランキング: 787Amazon.co.jp で詳細を見る を見た。 第一印象は絵がきれいだと言うこと。 新海作品は昔「ほしのこえ」を荒い画質で見たのだけれど、 それ…

「広告である」とはどういうことか

昔、吉見先生がこういうことを言っていた。 「大学院に来る人間の中で、理論から入れる人は4人に1人くらいだ。ほかは皆対象にこだわるべき。北田先生なんかは理論から入っていたがああいうのは特殊な例」 広告の誕生―近代メディア文化の歴史社会学 (岩波現代…

なぜ資本主義は成長を志向するか。

mixiの社会学コミュニティでこんなトピックスがたっていました。 [質問]なぜ企業は成長を続けないといけないのでしょうか? http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43161261&comment_count=14&comm_id=8396 ウェーバーのプロ倫に言及しながら、現在ではプロテスタ…

振る舞いを規制されると言うこと

私たちの行動は様々なものによって規制されています。 それは目に見えるものもあれば、目に見えないものもあり。 もちろん、このインターネット上にも規制はありふれたものです。 間違っても「無法地帯」などと思ってはなりません。 そういった規制について…

4-2-3-1

たまには柔らかいものを。4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)posted with amazlet at 09.10.18杉山 茂樹 光文社 売り上げランキング: 8061Amazon.co.jp で詳細を見る サッカー見るのがわりと好きです。 応援してるチームは前に書いたかもしれ…

公共空間の衰退

朝日の「論座」が休刊(実質廃刊)らしいですね。 普段買っているわけではないのですが、最終号は買ってみました。 なかなかいい雑誌なのではないかと思います。 なかでも書いてありましたが、 対して金のかかるわけでもないこういう雑誌を大朝日が終わりにす…

学問の中立性について

前々回の予告に沿ってね。 http://blogs.yahoo.co.jp/who113bun/56734670.html とりあえず、これを読んでもらうところからはじめたい。 文系の学問って、客観的じゃないしー、ちょっと学問て言うにはどーなの?理系の学問は客観的だから成功してるっしょ。 …

長らく書いていなかったのか・・・

ここのところはインターンってやつをやっています。 自分がこっちの方向に進むかはわかりませんが、記者のまねごとをやっていて、今まで口で語ってきたことを実感しているところです。 まぁ、体験というのは何事も重要ですからね。 というあたりで、仕事、と…

wikipediaは民主主義の敵か

どうも。 自主ゼミを大学のほうで開講しているのですが 本日前期最後で、キャス・サンスティーンの有名なこの本について発表しました。 インターネットは民主主義の敵かposted with amazlet at 09.10.18キャス サンスティーン 毎日新聞社 売り上げランキング…

拒絶

どうも、ご無沙汰しておりました。 その間にだいぶ暑くなってきましたね。 本自体は多少なりとも読んでいるのですがレビューするのはなかなか難しいです。 最近読んだのは例えばこれです。幽霊船 他1篇 (岩波文庫 赤 308-5)posted with amazlet at 09.10.18…

戦争への責任

アジアプレス代表の野中氏の講義を受けた。 (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E4%B8%AD%E7%AB%A0%E5%BC%98) アジアプレス(http://www.asiapress.org/index.html) ジャーナリズム論全体へのお話だったが、 主なフィールドがいわゆる「戦場」であ…

基本を疑うこと

ゼミ文献近代民主主義とその展望 (岩波新書 黄版1)作者: 福田歓一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1977/06/10メディア: 新書購入: 1人 クリック: 28回この商品を含むブログ (33件) を見るこれじゃなかった気がするw もうだいぶ読んでから時間がたってしま…

新しい公理系でものを語ると言うこと。

社会学の大家にはいろいろといる。 コント、スペンサーはおいておくにしても ウェーバー、デュルケーム、ジンメル マートン、パーソンズ、ブルデュー・・・ その系譜の中で現代一番名の売れた「社会学者」といえば N・ルーマンだろう。 難解でしられるその…

ナショナルな価値は現代において動員装置の役割を果たすか。

ゼミの担当だったものでリベラルなナショナリズムとはposted with amazlet at 09.10.18ヤエル タミール 夏目書房 売り上げランキング: 368671Amazon.co.jp で詳細を見る結果はぼろぼろ。そもそもが難解な上に 訳の悪さ、校正の悪さ、そしてなにより僕の頭の…

メディア・リテラシー

先日、母校に教育実習のための面接に行きました。 自分の高校が大好きなもんで、 戻りたい、ってのが第一の動機で実習に行く、というなんとも 不純な感じです。 そのとき、あなたが大学で勉強してることをどう教科に生かせますか(私は高校の公民科)?と聞…

メディアの役割とは

コミュニケーションをするとき 私たちはメディアを必要とします。 それは、脳みそと脳みそを直接つなげないから、 ではありません。 きっと脳みそ同士をつないでも私たちは 「言葉」というメディアを必要とするでしょう。 そして、そこでもしイメージの共有…

集合知とはなんなのか

自分あんまり、ビジネスに興味なくて しかも、ICTなんて、まぁめっちゃ使わせてはもらっているけれども ”Web2.0”はバズワードだと信じ込んでる人間なので、 梅田望夫さんの本とか読まないできたんですよ。 ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちく…

色っぽさと労働と

砂の女 (新潮文庫)posted with amazlet at 09.10.18安部 公房 新潮社 売り上げランキング: 51745Amazon.co.jp で詳細を見るを読んだ。 私のつたない読みを筆者が許すのかはわからないが 感じたことを書いてみようと思う。 (きっと許してくれるだろう。彼は1…

1個前、2個前のエントリーがひどい気がする。 酒が入っていたのが敗因と思われる。 少し補足をば。 「学問の意味」について。 「抽象的な思考」について書いているが、 僕は「抽象的」であることと、「衒学的」であることはまったく違うものだと思っている…

学問の意味/メンバーシップ

ある日、家庭教師先でソクラテスの話をしました。 そのあと、興がのってきたのでフッサールの話をしようとしました。 (中学2年生の女の子を相手に何をしているやらw) そしたら言うんですね。彼女。 今の哲学者って何してるんですか?って。 どうせ役に立…

正論=正義?

世の中には「正論」といわれる論調があります。 たとえばこれはどうでしょうか。 (不良が更生したのを知って)両津勘吉「えらいやつってのは、はじめからワルなんかにならねえの!正直で正しい人間がえらいに決まってるだろ!・・・(中略)・・・ごくふつうにもどっ…

解説と批評の果てに

批評*1は新たな創作であるとはしばしば言われることです。 作品という「芯」から紐を引っ張ってぐるぐると巻きつけていく。 それは、まさに創作的な営為といえるでしょう。 学問も、まあ、近い部分がありますよね。 その対象と基準が「しばしば」異なるとい…

「社会」 平等と公正

社会 (思考のフロンティア)posted with amazlet at 09.10.18市野川 容孝 岩波書店 売り上げランキング: 49243Amazon.co.jp で詳細を見るこの本に目を通しました。 ゼミの課題です。 このシリーズはなかなかいいと評判です。 ようするに中身があるということ…