読書は人間の夢を見るか

平々凡々な社会人の読書と考えたこと。本文・写真についてはCC-BY-SA。当然ながら引用部分等の著作権は原文著者に属します。

メディアとしてのGoogle Wave

つい最近、Google Waveってやつの招待を受けていろいろ使ってみているので、
使用感を書いてみたいと思います。
ただ、当方技術はあまり持ち合わせていないので、技術的なことはわかりません(すごいなーとは思うけどね。)
よって、メディアとしてどういう意味を持つのか、というレベルで話をしてみたいと思います。
*1



最初ただのチャット的なものかと思ったのですが、
ファイルをアップロードしたり、Mapアプリケーションを使って場所を示したりということがかなり簡単にできます。
また、オープンソースと言うこともあり今後ますます機能が充実していくと思います。*2
印象としては、ウェブ上でのおしゃべり的コミュニケーションの自由度を相当まであげたサービスなのかと思います。


以前、僕はいろいろな団体やグループワークなどで、遠隔会議をするとき、
Google Docなどを積極的に用いていました。
その様子は下の記事を見てもらえればだいたいわかると思います。


現役東大生に聞いた、Web 2.0的レポート作成術


一つのドキュメントに向かい、リアルタイムで修正を加えながら、話し合いを行っていたわけです。
ただ、反応がいまいち(基本的にリアルタイムで共同編集して、っていうのを志向しているわけではない?)だったり、
チャットといききしながらやるのがめんどくさかったり、途中から来た人に経緯を説明するのが難しかったりしました。


Google Waveでは、(不満はあるものの)その辺は解決されています。
反応はもっさりしているとはいえ、リアルタイムに発言が更新されていくし、
チャットと編集を基本的に同画面で行うこともできます。
また、途中から来た人には最初から発言を追っていける機能もあります。
というわけで、ミーティングや学生団体の引継ぎ*3なんかにはかなり便利な機能なのかな、と思います。
反対に不便な点としては、発言(ないしは資料)がツリー上になるのはいいのだけど、その一つ一つに対する自由度が低いかな、と。
例えば、発言ごとに編集できるか否かが変えられたり、資料や編集する文書だけは画面左側に出して、右側で話を進めるとか。あるいは、発言ごとにタグ付けできたりすると検索性は増して来るかな、と思います。



使い方も、定まらないプラットフォームです。
ただ、これは「おしゃべり」のメディアだと思います。
インターネットメディアは紙のメタファーで語られることが多かったように思います。
メールにしても、ウェブ「ページ」にしても、「掲示板」にしても。*4
それは編集という作業を裏側に隠すことによって成立しています。
そして、Publishされたものは、あまりいじりがたい、という。
*5


Waveでは、打ち込んだ文字がリアルタイムで相手側に表示されます。
あたかも、会話をしているかのように。
Webで話をしているときには避けがたかった会話のタイムラグやまどろっこしさを解消する可能性を持つものだと思います。
そこで広げられる地図や写真は、テーブルやスクリーン上の資料でしょうか。
*6
もっと言えば、隣に座っている人との秘密のおしゃべりも可能です(Private Reply)


逆に、会話との違いはなんでしょうか。
身体的な動作が見えないなどの点では、まだまだ追いつかない部分はたくさんあります。
ただ、話し合いが同時並行して二つの軸で進められたり、最初から追いなおしたりできるという点では、
会話を超越しています。
つまり、ある意味において「時間」を超越しているのです。


このプラットフォームの真価が問われるのは本当に普及してからだと思います。
いろいろと問題も多いです。
しかし、確かに今までになかったメディアの可能性を引き出すものではあるのではないでしょうか。


(追記)全体に開かれたものではなく(公開もできるけど)閉じているというのも、「おしゃべり」感を増幅させます。


戯言にしかなりませんでしたが。
このビデオを見てもらえれば、すげー、とは思えると思います。



*1:google waveとは何かを見たい人は、【詳報】Google Waveとは何なのか?をご覧ください。あるいはYoutubeにプレゼンビデオがあがっています。

*2:例えば、写真をアップしてその上に印をつけつつ説明するとかね

*3:本年度分の引継ぎを済ませたら、来年はそこに次の人を入れれば、そこまでの歴史性が担保される

*4:そして、最近のTwitterはつぶやきのメディアですよね

*5:当然、Webサイトとかは編集され続けるわけでそれが問題になったりしますが

*6:ゆえに「テーブル」を会話のラインとは別に表示するすべが欲しい