読書は人間の夢を見るか

平々凡々な社会人の読書と考えたこと。本文・写真についてはCC-BY-SA。当然ながら引用部分等の著作権は原文著者に属します。

将棋で見るワールドカップ

長いようで短かったサッカーFIFAワールドカップも、明朝の決勝戦で全試合日程が終了となります。
決勝はドイツ対アルゼンチン。
優勝候補として、ブラジル・アルゼンチン・ドイツ、を挙げていたのですが、準決勝ではまさかの結果もありました。


日本代表は残念な結果となりましたが、質の高い試合を短期間にたくさん見られて満足です。


さて、今こんな本を読んでいます。


将棋とサッカー?ぜんぜん違うじゃん、と思われるかもしれません。
でも、例えば、プロ棋士の野月七段はサッカーから着想を得て、新戦法を編み出したりしているんです。
それぞれの戦術によって得手不得手が生まれたり、いろいろな選手(駒)のコンビネーションでゴール(詰み)が生まれたりと共通点も多いのです。


詳細はこの本に譲りますが、ちょっと将棋をかじったことがあるサッカー好きならうなずきまくりで首が痛くなるかもしれません。


例えばこの本では、矢倉戦法をポゼッションサッカーに、四間飛車をカウンターサッカーに例えています。
まさに我が意を得たり、という感じです。


その流れで、日本代表をみてみましょう。
個人的には、日本代表(2014)は初手7六歩、3手目8六歩と突いていく居飛車党のイメージです。
正統派の攻撃型という感じで捉えてもらえればと思います。
後手の対応によって、戦法が分かれてきます。
日本代表が一番得意なのは横歩取りだと思います。*1
大駒(本田)や桂(香川)が入り乱れ、序盤から激しい撃ち合いになります。
それがうまくハマれば高位のチームを倒す力も持っているといえると思います。


他方で相手がカウンターの布陣を敷いてきた時には苦手意識があるようです。
相手がどんな体制だろうと、
とにかく棒銀を仕掛けていって、相手(四間飛車)にうまくさばかれ、
堅さを活かしたカウンターにハマるケースも見られるように思います。*2
「自分たちらしい」サッカーの魅力はもちろん感じるのですが、そうでない展開になった時の「裏芸」のようなものを身につけていけるといいですね。


今回決勝に進んだドイツはまさに両方できるチームだと思います。
(個人的にはショートカウンターのイメージが強いですが)
羽生名人のようなオールラウンダー、そんな感じがします。


対するアルゼンチンはマスチェラーノを中心とした固い守備から、最後の最後でメッシという強烈なアタッカーが決めるという、森内竜王のようなサッカーを展開しているといえるのではないでしょうか。
(W杯前の名人戦解説で元日本代表の波戸さんと深浦九段は、森内竜王をイタリア、羽生名人をブラジルに喩えていました。二チームは残念な結果に終わってしまいましたね)


準決勝の消耗も込で2-1ドイツと予想しておきたいと思います。
ワールドカップが終わったら将棋も見てみてください。
(サッカーと将棋といえばこの漫画もおもしろいです。
ナリキン! 01 (少年チャンピオン・コミックス)