読書は人間の夢を見るか

平々凡々な社会人の読書と考えたこと。本文・写真についてはCC-BY-SA。当然ながら引用部分等の著作権は原文著者に属します。

2008-01-01から1年間の記事一覧

振る舞いを規制されると言うこと

私たちの行動は様々なものによって規制されています。 それは目に見えるものもあれば、目に見えないものもあり。 もちろん、このインターネット上にも規制はありふれたものです。 間違っても「無法地帯」などと思ってはなりません。 そういった規制について…

4-2-3-1

たまには柔らかいものを。4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)posted with amazlet at 09.10.18杉山 茂樹 光文社 売り上げランキング: 8061Amazon.co.jp で詳細を見る サッカー見るのがわりと好きです。 応援してるチームは前に書いたかもしれ…

公共空間の衰退

朝日の「論座」が休刊(実質廃刊)らしいですね。 普段買っているわけではないのですが、最終号は買ってみました。 なかなかいい雑誌なのではないかと思います。 なかでも書いてありましたが、 対して金のかかるわけでもないこういう雑誌を大朝日が終わりにす…

学問の中立性について

前々回の予告に沿ってね。 http://blogs.yahoo.co.jp/who113bun/56734670.html とりあえず、これを読んでもらうところからはじめたい。 文系の学問って、客観的じゃないしー、ちょっと学問て言うにはどーなの?理系の学問は客観的だから成功してるっしょ。 …

「無駄な」学問

前回予告から全く外れた話をします。 先日社会学ゼミの合宿でつくばの高エネルギー加速器研究所に行ってきました。 高エネルギー加速器を実際に見るなどして巨大科学というものに感銘すら受けました。 それとともに、あの研究所で、毎日同じように食堂に行っ…

長らく書いていなかったのか・・・

ここのところはインターンってやつをやっています。 自分がこっちの方向に進むかはわかりませんが、記者のまねごとをやっていて、今まで口で語ってきたことを実感しているところです。 まぁ、体験というのは何事も重要ですからね。 というあたりで、仕事、と…

ゴースト/ほしのこえ:コミュニケーションの距離について

メディアの高速化・広域化ということが言われる。 しようと思えば地球の裏側にいる人間ともほぼタイムラグなしに 会話をすることができる。 日本では1億台以上のケータイ電話が出まわり、 ほぼ常時「つながり」続けることができる。 こうした時代において、…

wikipediaは民主主義の敵か

どうも。 自主ゼミを大学のほうで開講しているのですが 本日前期最後で、キャス・サンスティーンの有名なこの本について発表しました。 インターネットは民主主義の敵かposted with amazlet at 09.10.18キャス サンスティーン 毎日新聞社 売り上げランキング…

拒絶

どうも、ご無沙汰しておりました。 その間にだいぶ暑くなってきましたね。 本自体は多少なりとも読んでいるのですがレビューするのはなかなか難しいです。 最近読んだのは例えばこれです。幽霊船 他1篇 (岩波文庫 赤 308-5)posted with amazlet at 09.10.18…

不可思議なるコミュニケーション

試験やレポートって嫌ですよね。 だからブログに逃げますw お久しぶりです。 コミュニケーションというのは相手があって初めて成立します。 情報の出し手が何かを表現し(情報および伝達手段の選択) 受け手がその内容を理解する(その差異の観察と受け取る…

戦争への責任

アジアプレス代表の野中氏の講義を受けた。 (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E4%B8%AD%E7%AB%A0%E5%BC%98) アジアプレス(http://www.asiapress.org/index.html) ジャーナリズム論全体へのお話だったが、 主なフィールドがいわゆる「戦場」であ…

基本を疑うこと

ゼミ文献近代民主主義とその展望 (岩波新書 黄版1)作者: 福田歓一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1977/06/10メディア: 新書購入: 1人 クリック: 28回この商品を含むブログ (33件) を見るこれじゃなかった気がするw もうだいぶ読んでから時間がたってしま…

犯罪報道について

トラックバックを張ってるのですが、 (http://d.hatena.ne.jp/canarykanariiya/20080622) やりとりのなかで 犯罪を「社会」に帰す報道も、「個人の性質」に帰す報道もなんとなく気に食わないということになりました。 その場での回答は 結局、何かを「仮想…

資格予備校のモチベーション

お久しぶりです。 友だちが資格予備校に通っていて、ああいうところの教師のインセンティブはどういうところにあるんだろうなぁ、ってことを考えました。 他のと比較しながら考えてみましょう。 (もちろん生徒の成長を望む、ってのはあるのでしょう。金銭的…

新しい公理系でものを語ると言うこと。

社会学の大家にはいろいろといる。 コント、スペンサーはおいておくにしても ウェーバー、デュルケーム、ジンメル マートン、パーソンズ、ブルデュー・・・ その系譜の中で現代一番名の売れた「社会学者」といえば N・ルーマンだろう。 難解でしられるその…

ナショナルな価値は現代において動員装置の役割を果たすか。

ゼミの担当だったものでリベラルなナショナリズムとはposted with amazlet at 09.10.18ヤエル タミール 夏目書房 売り上げランキング: 368671Amazon.co.jp で詳細を見る結果はぼろぼろ。そもそもが難解な上に 訳の悪さ、校正の悪さ、そしてなにより僕の頭の…

教育「の」平等/教育「と」平等

友人と話していたら、けんか気味になってしまったので ここに当たり散らしたいと思います。 教育/平等についての話。 教育/平等を考える際に 教育「の」平等と教育「と」平等を混同してはならない。 教育「の」平等とは教育とその成果(知的資源の獲得)にお…

Think from Akiba 2

一昨日に続き。 所属しているコミュニティによるのかもしれないが この事件についての語りはほとんど「ジャーナリズム」の問題をともなってなされるように思う。 わけてもよく聞くのは「やじうま」の問題だ。 いわく、手当てもせず、救助もせずに、ケータイ…

Think from Akihabara

秋葉原の痛ましい事件。 もう1週間たちますか。 書く気もおきませんでした。 もしかしたら、よくあること、なのかも知れませんが。 ひと事だとはおもえない。 2重の意味で。 加害者。 私はこうして恵まれて、PCの前に座っているけれども 近代社会はいつで…

メディア・リテラシー

先日、母校に教育実習のための面接に行きました。 自分の高校が大好きなもんで、 戻りたい、ってのが第一の動機で実習に行く、というなんとも 不純な感じです。 そのとき、あなたが大学で勉強してることをどう教科に生かせますか(私は高校の公民科)?と聞…

メディアの役割とは

コミュニケーションをするとき 私たちはメディアを必要とします。 それは、脳みそと脳みそを直接つなげないから、 ではありません。 きっと脳みそ同士をつないでも私たちは 「言葉」というメディアを必要とするでしょう。 そして、そこでもしイメージの共有…

集合知とはなんなのか

自分あんまり、ビジネスに興味なくて しかも、ICTなんて、まぁめっちゃ使わせてはもらっているけれども ”Web2.0”はバズワードだと信じ込んでる人間なので、 梅田望夫さんの本とか読まないできたんですよ。 ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちく…

色っぽさと労働と

砂の女 (新潮文庫)posted with amazlet at 09.10.18安部 公房 新潮社 売り上げランキング: 51745Amazon.co.jp で詳細を見るを読んだ。 私のつたない読みを筆者が許すのかはわからないが 感じたことを書いてみようと思う。 (きっと許してくれるだろう。彼は1…

1個前、2個前のエントリーがひどい気がする。 酒が入っていたのが敗因と思われる。 少し補足をば。 「学問の意味」について。 「抽象的な思考」について書いているが、 僕は「抽象的」であることと、「衒学的」であることはまったく違うものだと思っている…

テレビは嘘をつかない!

こんばんは。 テレビ番組をあんまり見られていない僕ですが たまにみると、テレビって「本当」を伝えているのか、と疑問に思います。 メディアリテラシー、という言葉は魔法の言葉のようにいろいろなところから耳に入ってきます。 でも僕は言いたいのです。 …

学問の意味/メンバーシップ

ある日、家庭教師先でソクラテスの話をしました。 そのあと、興がのってきたのでフッサールの話をしようとしました。 (中学2年生の女の子を相手に何をしているやらw) そしたら言うんですね。彼女。 今の哲学者って何してるんですか?って。 どうせ役に立…

正論=正義?

世の中には「正論」といわれる論調があります。 たとえばこれはどうでしょうか。 (不良が更生したのを知って)両津勘吉「えらいやつってのは、はじめからワルなんかにならねえの!正直で正しい人間がえらいに決まってるだろ!・・・(中略)・・・ごくふつうにもどっ…

解説と批評の果てに

批評*1は新たな創作であるとはしばしば言われることです。 作品という「芯」から紐を引っ張ってぐるぐると巻きつけていく。 それは、まさに創作的な営為といえるでしょう。 学問も、まあ、近い部分がありますよね。 その対象と基準が「しばしば」異なるとい…

「社会」 平等と公正

社会 (思考のフロンティア)posted with amazlet at 09.10.18市野川 容孝 岩波書店 売り上げランキング: 49243Amazon.co.jp で詳細を見るこの本に目を通しました。 ゼミの課題です。 このシリーズはなかなかいいと評判です。 ようするに中身があるということ…

ガソリン税について思うこと

ガソリン税、暫定税率がついに復活しましたね。 さすがに30円上がると(税は25円でしたっけ)財布的には きついものがあります。 中身についてはここで深く議論すると長くなりそうなので割愛します。今日考えたいのは、日本におけるメディアと政治の機能と意味…